ランニングのための、走らないトレーニング
先日、ある知人男性から聞かれました。
「ファクトフルフィットネスって、トレッドミルは置いてないんですよね……?」
彼は、忙しい毎日を送る市民ランナーです。実走の時間を確保できず、暑さもあってタイムが伸び悩んでいるようです。
今回は、忙しいランナーには筋トレがお勧めだよ!という話をします。
筋トレは持久系スポーツのパフォーマンスを向上させる
筋トレは、持久系スポーツのパフォーマンスを向上させることがわかっています。
The implementation of a strength-training mesocycle in running, cycling, cross-country skiing, and swimming was associated with moderate improvements in middle- and long-distance performance (中略). Maximal-force training led to greater improvements than other intensities. Subgroup analyses also revealed that beneficial effects on performance were consistent irrespective of the athletes' level.
(拙訳)ランニング、自転車、クロスカントリースキーや水泳で筋力トレーニングのメソサイクル†を導入すると、中・長距離でのパフォーマンスで中程度の改善が認められる(中略)最大筋力を向上するようなトレーニングは、それ以外の強度よりも改善の程度が大きい。サブグループ解析では、選手のレベルにかかわらず、効果が一貫して認められる。
Strength Training for Middle- and Long-Distance Performance: A Meta-Analysis (Berryman et al 2018)
†メソサイクルは、ミクロ(短期的)サイクルとマクロ(長期的)サイクルの間の、中期的サイクルのことです
ポイントは次の通りです:
- 種目にかかわらず改善
- 競技レベルによらず改善
- 最大筋力のトレーニング = 高強度の筋トレは低・中強度より効果的
近年だと、2019年の箱根駅伝で優勝した東海大学が、ウエイトトレーニングを積極的に導入した好例でしょうか。
東海大学よりものすごーーくレベルは落ちますが、筆者も筋トレの恩恵を受けているランナーの一人です。
ケガをしにくい
まず、ケガをしにくくなったな、と感じています。
以前は腸脛靱帯炎(ヒザの外側が痛い)や後脛骨筋腱炎(内くるぶしの下が痛い)に悩まされていましたが、ダンベルを使った筋トレを導入してからは、これらによる痛みはゼロです。
統計的にも、筋トレをする方は、しない方と比べて、ケガのリスクが約1/3まで下がるという報告があります。
単純に言うと、筋トレ → ケガをしにくい → 休まず練習できる → パフォーマンス向上!というわけです。
強度を上げられる
個人的な話で恐縮ですが……筋トレを導入する前は「また痛むのでは」と恐れながら走っていました。ビクビクしながら走るので低強度が中心になります。低強度ばかりでは速くなりませんし、何より不安を抱えながら走ると楽しくない。
それが、筋力がついてくると痛みなく走れるようになりました。
痛みがないから、ちょっと冒険して強度を上げた走りもできる。強度の高い走りが運動効率を改善する(身体への負担が軽いフォームになる)。フォームがよくなるからケガをしにくい、という好循環が生まれました。
今のところ、フルマラソンでも関節が痛むことはありません。
時間効率がいい
持久系スポーツの練習は時間がかかります。長時間の耐久力を競うわけですから。筆者は、フルマラソンに向けた練習では2–2.5時間ほど走ることがあります。
高強度の筋トレなら、そこまで時間をかけなくとも、パフォーマンスを改善することができます。もしも同じくらい改善するなら、短時間で済むほうがいいと思いませんか?
どのような筋トレがいいのか
前述の通り、高強度の筋トレが効果的です*。
自重トレーニングがお手軽ですが……自重は強度の調節が難しいな、というのが本音です。
スクワットなどは、自重だとすぐに物足りなくなるでしょう。筋力が向上した結果、その方にとって「高強度」ではなくなります。
一方、「自重だと強度が高すぎる」ケースもあります。懸垂や腕立て伏せを効果的なフォームで実施できますか?キツすぎても効果的なトレーニングになりません。
だからこそ、ジムを利用していただきたいのです(結局これを言いたかった)。
「どれくらいのウエイトを使えば高強度なのか?」「具体的にどの種目がいいのか?」は、その方の状態によって異なります。
当店ではお客様の状態に合わせた高強度筋トレを提案いたします。
難しいことはしない。ランナーの皆様にも、確かな効果を。
こんなジムでよろしければ、ぜひお立ち寄りください。
*「持久系なんだから低強度・高回数のほうがスタミナがつくんじゃないの?」「自重での体幹トレーニングだけじゃダメなの?」という話もしたいのですが、長くなるのでまた別の機会に。

