タンパク質が食欲をおさえる?

今、このテキストを読んでいるあなたが減量中だと仮定します。
空腹を感じたとき、どうされますか?
あるいは、お腹はすいていないけど「あ~ポテトチップス食べたいな~ポテチポテチポテチ~」な気分のとき、どうやってこの局面を切り抜けますか?
ガマンする?自分は満腹だと思い込む?ダイエットは明日からにする?

筆者は「プロテインを飲め!」と声を大にして言いたいです。実践的なテクニックとして。

(本当は良質なタンパク質を含む低脂質な食品をよく噛んで食べるのがベストですが、ここではその場しのぎとしてプロテインサプリメントを示しています)

プロテインレバレッジ仮説

タンパク質の重要性を示す「プロテインレバレッジ仮説」をご紹介します。
この仮説は「必要なタンパク質量が満たされるまでは食事を続ける」というものです。逆に言うと「タンパク質量が満たされないと、必要エネルギー量を満たしても食欲は満たされない(だから食べすぎてしまう)」ということですね。

2005年にSimpsonとRaubenheimerが提唱しました。
Simpsonらは、私たち生物が「タンパク質による摂取エネルギーが、ある目標に達することを最優先する性質」を持つことを前提に、

(炭水化物と脂質による摂取エネルギー) ∝ (タンパク質による摂取エネルギー)

というシンプルなモデルを提示しています。

必要なタンパク質量を優先して満たす仮説。タンパク質の少ない食事は、タンパク質量を満たすために炭水化物と脂質を摂りすぎてしまう。

図はObesity: the protein leverage hypothesis (Simpson and Raubenheimer 2005)より筆者作成

通常は、タンパク質と炭水化物+脂質の間でバランスがとれています(上図の緑色の線: 結果として体重は維持されます)。
低タンパク食の場合、エネルギーは満たされているのに身体は満たされたと感じることができず、不要なエネルギーを摂ってしまうことになります(上図の赤色の線: 結果として太ります)。
一方、高タンパク食ですと、通常よりも速くタンパク質が目標に達するので、炭水化物+脂質によるエネルギー摂取は通常より少なくなります(上図の青色の線: 結果としてやせます)。
タンパク質と炭水化物+脂質が、一方が増えれば他方が減る関係にあるので「レバレッジ(テコ)」と名付けたのでしょう。

ちなみにSimpsonらはこの研究で、現代の環境、すなわち「高エネルギー密度・低タンパクな食物が、入手しやすく安価であること」「高タンパク食物を想起させるようなうまみ調味料が、低タンパク加工食品にたくさん使われていること」が、レバレッジのしくみを損なっていることにも触れています。

タンパク質を積極的に摂ろう

プロテインレバレッジ仮説はあくまで仮説ですが、この仮説をフォローするようなメタ解析もいくつか発表されており、有力と言えるのではないでしょうか。研究のさらなる伸展を待ちたいと思います。
それまでは「お腹がすいたらプロテイン」です。

難しいことはしない。派手さより、確かな効果を。
こんなジムでよろしければ、ぜひお立ち寄りください。

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