ダイエットの基本のき

当店がある福島市は、少しずつ涼しい日が増えてきました。筆者の食欲が全開になる秋です。
どうでもいい話は置いといて(本当にどうでもいいですね)、今回は体重コントロール、特に減量の基本が話題です。

「食事8割」に根拠はない、けど正しい

減量について少し調べていただくと「ダイエットは食事が8割、運動が2割」というキャッチフレーズ(?)を目にするかもしれません。
しかし、少なくとも筆者が調べた範囲で「8割」という値に科学的根拠はありませんでした。「段取り八分」みたいなものでしょうか。「8割」の由来をご存じの方は、ぜひご連絡ください。

英語圏だと'80/20 diet'とか'80-20 rule for weight loss'といったフレーズを見ることができます。こちらは「健康的で栄養価の高い食事を8割摂っていれば、残りの2割で嗜好品を摂ってもOK」という、食事の中での話です。柔軟さが特徴のようですね。

さて、「8割」には根拠こそありませんが、食事管理を優先する考え方そのものは正しいと思います。
減量しよう、やせようとする際に、運動を最初の選択肢にするのは悪手です*。少なくとも最善手ではありません**。

*何らかの理由で、すでに厳しい食事制限をされている場合は、運動を優先することになるでしょう。いちど医師と相談することをお勧めします。
**「悪手」「最善手」って普通に使っていいのでしょうか? 将棋ファン以外のみなさんご容赦ください

なぜ食事管理が優先なのか

減量しようとする場合、

(摂取エネルギー) < (消費エネルギー)

摂取エネルギーが消費エネルギーより少ないとやせる

の状態を継続する必要があります。これが成り立たない限り、減量はできません。
そして、これを達成するには、食事を管理して摂取エネルギーを減らすほうが、運動で消費エネルギーを増やすより楽なのです。

計算してみよう

[例] 体重60 kgの方が、30日で体脂肪を1 kg減らしたいとします。

体脂肪1 kgを消費するために7200 kcalの消費が必要と仮定すると、

7200 (kcal) ÷ 30 (日) = 240 (kcal/日)

の「赤字」を繰り返せばよいことがわかります。

食事を変える場合:
1日3食とすれば、1食あたりマイナス80 kcalです。ご飯を茶わん1杯から2/3杯に減らすくらいでしょうか。

運動で消費する場合:
ウォーキングを例にして、1日にどれくらい歩けばよいか、計算してみます。
消費エネルギー (kcal) = 体重 (kg) × 運動強度 (Mets) × 運動時間 (時間) × 1.05 ですから、必要な運動時間は

240 (kcal/日) ÷ 60 (kg) ÷ 3.5 (Mets) ÷ 1.05

≅ 1.09 (時間/日)

≅ 1時間6分/日

(ウォーキングの運動強度は改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版より引用)

のウォーキングを毎日行うことになります。
習慣的に運動できている方でも、現在の生活にウォーキングを上乗せです。置き換えではありません。

さて、毎食ご飯を1/3杯減らすのと、現在の生活に毎日ウォーキング1時間6分を追加するのと、どちらが楽ですか?
二者択一だとしたら、食事を減らすほうが楽ではありませんか?

効率が良いのは食事管理と運動の組み合わせ

というわけで、食事管理を優先すると、ダイエットはうまくいきやすいと考えられます。
実際には、食事管理と運動の組み合わせがお勧めです。それを支持する研究結果が多く発表されています。
食事管理のみだとリバウンドしやすい。運動のみだと体重が減りにくい。組み合わせることで、安全でスムーズな減量を実現できます。

まとまらない まとめ

「ダイエット ⇒ 運動」という考え方は効率が悪く、「食事8割」です。

これまでにさまざまなダイエット法が生み出され、ブームが過ぎ去りましたが……。
リンゴ、寒天、朝バナナ、夜トマト、納豆、スムージー、MCTオイル、オートミール……。
糖質オフ、脂質オフ、ケトジェニック、パレオ、断食、ベジファースト……。
エアロビクス、サウナスーツ、呼吸法、ブートキャンプ、足パカ、腹筋ベルト、デトックス……。

(摂取エネルギー) < (消費エネルギー)

を無視した減量は、ことごとく失敗します。

今回はダイエット法の広大な墓地ができました。成仏してください。

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