スクワット、ヒザを出す?出さない?
スクワット。
"エクササイズの王様"とも呼ばれる筋トレの代表的な種目です。

「しゃがんだときにヒザをつま先より前に出すな」と教わった方も多いでしょう。
筆者も、指導者として駆け出しの頃はそのように教わりましたし、お客様にもそのように指導していました。ヒザを前に出さないフォームが、ヒザ関節の負担を減らすからです。
しかし、本記事執筆時点の2026年現在、そのような指導者は少なくなっているはずです。
ヒザを前に出さないフォームをよしとする根拠は、12名の男性ウェイトリフターを対象とした1972年のArielの報告と考えられます。Arielはこの報告で「ヒザを前に出すとヒザ関節に大きな負荷(剪断力)がかかって、ケガをする可能性があるよ」と述べています。
Arielの報告では、パラレルバックスクワット(バーベルを担いで、しゃがんだとき大腿部が地面と平行になる)を自体重の2.23倍(平均)の負荷で行っていますが、データが明示されているのは3名分のみ。
またスクワットのテクニック面について言及していないことなどから、2013年にHartmannらは
This recommendation is based on a misinterpretation of existing data and should be removed in future practical literature.
Analysis of the load on the knee joint and vertebral column with changes in squatting depth and weight load (Hartmann et al 2013)
(拙訳)この推奨事項は、既存のデータの誤った解釈に基づいているため、今後の実践的な文献からは除かれるべきである。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23821469/
と述べています。
ヒザをつま先より前に出さないフォームでヒザの負担は小さくなりますが、その分は股関節や腰背部の負担となります。
ヒザを出す/出さないは、狙う部位、バーベルを担ぐ位置や、関節の痛みなどを総合的に考慮して決めればよいのではないでしょうか。
……という言葉を、はなたれ小僧の頃の筆者にかけてやりたい。「ヒザを前に出したらダメですよ~(ドヤ顔)」と、えらそうに指導していたことを思い返すと、今でも顔から火が出てのたうち回ってしまいます。
当店では、スクワットについても、お客様の状態に合わせてアドバイスいたします。場合によっては他の種目で置き換えることもあります。
難しいことはしない。派手さより、確かな効果を。
こんなジムでよろしければ、ぜひお立ち寄りください。

